僕の仕事は「まちづくり・住宅政策・災害復興に関するコンサルタント(政策を考えたり、実践事業を行うためのアイディアを出す仕事)」ですが、こんな仕事もやっています!ということで、今年(2023年)2月25日に福島県広野町(サッカー日本代表で有名になったJビレッジスタジアムがある町)で開催される、「ひろのアートキャンプ~恐竜アート大作戦~」というイベントを紹介します。
「アートイベント」と「まちづくり」に関係はあるのか?
実は大いにあるのです。
福島県広野町について
福島県広野町は福島県浜通りの南部にある、人口約5千人のまちです。福島県で最も人口の多いいわき市(人口約33万人)に隣接しており、いわき市のベッドタウンとなっています。
この広野町、2011年3月の東日本大震災・原子力災害に伴い「緊急時避難準備区域」に指定されたまちなのです。「緊急時避難準備区域」は同年9月に解除され、徐々に町民が広野町に戻ってきましたが、震災時の全町避難から10年以上経過した現在の住民の帰還率は約9割。つまり約1割の町民は、いわき市等の市町村に出て行ったきり戻ってきていないのです。
除染や食品の検査等を通じて、広野町は「安全・安心に過ごせる町」となりました。僕も2018年から広野町のお仕事をしており、ふるさと納税で「特別栽培コシヒカリ」を取り寄せて食べていますが、とてもおいしいごはんです!検査済みですから、放射能汚染の問題は全くありません!
でも県外からの視点では、いまだ当地域への風評被害が残っています。
アートイベントを開催したきっかけ
広野町には観光客や交流人口を呼び寄せる強い観光資源・地域資源はありませんが、地域固有の文化として震災前に幼稚園や小学校における壁画制作や、「童謡とんぼのめがね」の発祥の地等、子どもと芸術文化の繋がりがありました。
そこで「子ども達がアートを体験することを通して多世代交流・域内域外交流を促進することを目的としたアートイベント」を2019年に初めて開催しました。
このとき意識したのは「アーティストのためのアートイベントにはしない」ということです。あくまで次世代を担う子ども達に、「 アート 」を地域のアイデンティティとして認識してもらえるように、様々な工夫をして開催しました。また、この考えに賛同してくれるアーティストに参加してもらいました。
2019年のイベントは大成功。
人口約5千人のまちに、2日間で約3千人の人が集まりました。
うれしかったのは参加者からのコメントです。「地域の人たちと交流できるこのようなイベントが欲しかった!」、「来年も是非やってほしい」、「イベントの準備を手伝いたい!」というコメントを多数いただき、「アートと地域活性化(まちづくり)との間には親和性がある」ということを確認することができました。
何故「恐竜」なのか?
実は広野町内において、1986年に草食恐竜(通称ヒロノリュウ)の化石が発見されたのです。その後も肉食恐竜(通称フタバリュウ)の化石が発見されるなど恐竜の骨以外にも多くの化石が採取されており、町では「化石の観光資源化」を目指していました。
ところが恐竜ブームはあっという間に去ってしまい、恐竜での町おこしは失敗に終わったのです。
それから時間が過ぎ、当時広野町が収集した恐竜の化石などのコレクションは日の目を見ることはないかと思っていましたが、2019年4月に閉園した広野幼稚園(1976年建設)が「広野町文化交流施設-ひろの未来館-」として2022年4月に生まれ変わったのを機に、ひろの未来館に恐竜の化石を展示することになったのです。
ですが、広野町で恐竜の化石が発掘されたことのPR方法や化石等の展示方法等について、どのようにすべきか悩んでいる状況でした。
そこで、「恐竜」と「アート」を組み合わせたイベントを開催することでこの問題を解決しようと考え、「ひろのアートキャンプ~恐竜アート大作戦~」というイベントを開催することとなりました。
例えば、展示している恐竜の説明資料をこのイベントで作成します。
また、いらなくなったものを使って楽器を作って、みんなで音楽を演奏する「ガラクタ音楽制作ワークショップ」を開催します。完成した音楽をひろの未来館のテーマソングとして使いたいと思っています。
つまり、アートの力で地域活性化(=まちづくり)につなげようというイベントなのです。
是非ご参加ください!
アートイベントの詳細については、ホームページがありますのでご覧ください。
ひろのアートキャンプ2022~恐竜アート大作戦~|広野町公式ウェブサイト (town.hirono.fukushima.jp)
またこの投稿をきっかけに、福島県広野町に興味を持ってもらえると幸いです。
移住定住ポータルサイト|広野町公式ウェブサイト (town.hirono.fukushima.jp)
ちなみに上野駅を朝8時に出発するJR常磐線特急ひたち3号に乗れば、乗換なしで広野駅に10時42分に到着します(片道6,620円)。そこから歩いて7分で会場の「ひろの未来館」に到着します。
今回は特別に「カマラサウルス」という恐竜の、本物の化石にタッチして写真撮影することができます。またタッチした記念に、オリジナルの「シリアル番号入りタッチカード」がプレゼントされます。
2023年2月25日のアートイベントに、ぜひご参加ください!