さいたま市の「送迎保育ステーション事業」を保育園にも展開して、子育て世代の負担軽減を。

保育園の送迎は大変なんです

お迎えダッシュの思い出

皆さんの会社の始業時間は何時でしょうか?東京都産業労働局が平成29年3月に公表したデータ(対象企業838社)によると、「8時30分超~9時」がほぼ半数(51.1%)となっています。9時までに始業する企業が全体の82.7%となっています。

でも始業時間ぴったりに通勤する人は少ないですよね。人身事故などによる電車遅延を見越して、東京都心部の始業時間9時の企業に勤めている場合、自宅を出るのは8時前なんて人も多いと思います。

さらにこれが保育園を利用している場合、「自宅から保育園+保育園から駅」までの時間も考慮して自宅を出なければいけないですよね? 保育園が通勤で利用する駅に行く途中にあればまだいいですが、保育園が駅とは反対の方向にある場合はもう地獄ですよね?

私も経験したことがあります。利用していた保育園は通勤駅に行く途中ではなく、歩いて約10分の距離でした。荷物を渡したり伝達事項を伝えたりしていると5分くらいあっという間に過ぎてしまいますよね。保育園から駅までは徒歩15分。結局、家を出るのは7時半で、家を出てから電車を乗るのに30分かかっていました(勤務先に到着するのは8:45くらいでした)。おそらくこのような経験を今もされている方が多いと思います。

帰りも大変ですよね。私の場合、基本は朝の送る担当でしたが、事情によりお迎えをすることもありました。私が利用していた保育園は19時まででしたので、18時には会社を出ないといけない。でもこういう時に限ってギリギリまで仕事をしなければならない。もう会社を出てからダッシュでお迎えをしていました。

浦和区の統計の数字で確認してみると

平成27年の統計データとなりますが、浦和区の15歳以上人口は132,189人、そのうち就業者数は72,831人。15歳以上の55%が働いていることとなります。そのうち、他市区町村で従業しているのは48,844人で約67%。「浦和区在住で東京都特別区部」に働いている人数のデータは統計データから見ることができませんので、「さいたま市在住で東京都特別区部」のデータを参考にすると(就業者数の約3割)、浦和区では約2万人が東京都特別区部に勤務していることとなります。

さいたま市の「共働き世帯数」は12.8万世帯(さいたま市の世帯数は約62.2万世帯)のであり、このうち「最年少の子どもが6歳未満の子どもあり世帯」は約2万世帯、「最年少の子どもが6歳以上15歳未満の子どもあり世帯」は約3万世帯となっています。

保育園についても見てみましょう(令和4年4月1日時点)。市内の認可保育所等の施設数は496、定員数は29,892人となっています。さいたま市は令和4年4月1日現在の保育所等利用待機児童数は0人と発表していますから、約3万人が保育園を利用していることとなります。なお、浦和区についてみると、認可保育所等の施設数は82、定員数は4,286人となっています。

幼稚園についても見てみましょう(令和4年4月1日時点)。市内の幼稚園数は90、定員は22,045人となっています(利用者数については現在調査中です)。なお、浦和区には幼稚園が13施設、定員2,470人となっています。

以上の数字を見ると、15歳未満の子どもがいる世帯の非常に多くが幼稚園や認可保育所等の施設を使っていることがわかります。

送迎保育ステーション事業の拡充を

文科省(幼稚園)と厚労省(保育園)

そもそも論ですが、「保育所(園)と幼稚園の違い」について改めて調べてみました。

「幼稚園」は文部科学省所管の学校教育施設であり、満3才~小学校就学前の幼児を対象としています。「保育所(園)」は厚生労働省所管の児童福祉施設であり、0才~小学校就学前の保護者の事情で保育に欠ける乳幼児を対象としています。

規制緩和により保育園も園バスが使えるようになっていた

登園方法に違いはあるのでしょうか?

平成8年3月に厚生省児童家庭局長が出した「保育所入所手続き等に関する運用改善等について」をみると、「3登所等の方法 保育所への登所や保育所からの降所に際し、保育所が保有するバス等を利用することについては、認めない指導をしてきたところであるが、保育所の設置場所等の地域状況を勘案して、このような方法を用いても差し支えないこととする。この場合において、バス等の設置・運行に係る経費は、利用する児童の保護者から実費を徴収することを原則とする。」と記載されています。つまり、保育所が保有するバス等を利用して送迎を行うことはできるのです。

さいたま市の送迎ステーションは幼稚園限定。

実はさいたま市では、「送迎保育ステーション事業」を令和4年4月から「送迎保育ステーションおおみや」と「送迎保育ステーションうらわ」の2か所で実施しており、令和5年4月からは武蔵浦和でも実施することとなっています。

 対象施設と定員併設する保育施設
おおみや認定こども園大成幼稚園(各歳児6人、18人) 浦和こばと幼稚園(各歳児4人、12人)あおぞらウィンクルム保育園第2 定員40名
うらわ認定こども園さかわ幼稚園 (各学年4人、12人) 大谷口幼稚園(各学年5人、15人)浦和センター保育園 定員19名
むさしうらわ浦和つくし幼稚園 (各学年6人、18人) 浦和めぐみ幼稚園(各学年6人、18人) さくら草幼稚園(各学年6人、18人)つくしナーサリーむさしうらわ 定員19人
さいたま市のホームページをもとに、赤松ひろかず作成

「うらわ」をみると、JR浦和駅西口から徒歩約3分の「ファーストセンタービル3階」が所在地となっています。確かに駅近ですよね。これなら浦和駅を利用している通勤者にとって、時間短縮になりますね。

ところがよく見ると、「送迎保育ステーション事業」の対象となっているのは「幼稚園」だけなのです。

流山市では保育園でも送迎保育ステーション事業が展開中

この仕組みを最も使いたいと思うのは保育園の利用者(保育園に子どもを預けている親)ではないでしょうか? 実際、この仕組みの先駆けと言われている千葉県流山市では、2送迎ステーションで79施設(保育所、認定こども園)を対象として事業を実施しているのです。

費用も気になりますよね? さいたま市の場合、送迎保育ステーション利用料は月額1,000円に設定されています(別途、送迎先幼稚園において園バスの利用料が発生)。流山市は月額2,000円、1日100円です。金額をみるとさいたま市は安いですね。

さいたま市だって、保育園を対象にできるはずです! 予算の関係上、今年はできないかもしれませんが、赤松ひろかずがさいたま市議になったなら、予算を確保して早急に「送迎保育ステーション」の対象を保育園にも広げます

この事業を行う上で課題となるのは「お金」だと思います。運転手をどうするのか。車両をどうするのか。行政はどこまで支援すべきなのか。また、利用者・対象施設が多くなった場合は「運行ルートをどうするのか?」も課題になると思います。

先進事例の調査から地元の事情に即した政策立案が、赤松ひろかずの真骨頂!

従って、送迎保育ステーションの対象を保育園に広げるためにも、既にさいたま市でも実施していると思いますが、先進事例を調査することが何よりも大切です。

先述した流山市は2つの送迎保育ステーションで79施設を対象としています。なぜこのように大規模な送迎システム事業を実施できているのか、しっかりと調査する必要があります。他にも三郷市や町田市も保育園を対象として送迎保育ステーション事業を行っています。私はまさに行政などからこのような調査を委託されてきたのです。流山市や三郷市、町田市等に対してヒアリング調査を行って、課題を整理するのはお手の物です。

まずは現在の仕組みをベースに、送迎保育ステーション事業の改善を行います。

まちづくり経験値99000の男、赤松ひろかずにご期待下さい!

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